2026年3月9日、衆議院予算委員会(集中審議)において国民民主党の丹野みどり議員が質疑に立ちました。自動車に関する税制変更の見通しが立たず国民が困っている現状、GDP10%を占める基幹産業である自動車産業の複雑な税制の合理化、そして非正規雇用の半数以上を占める女性の経済的自立について、政府の見解を問いました。
暮らしの予見可能性 ─ 税制変更と「家計のロードマップ」
環境性能割は自動車を購入するときにかかる税金で、燃費性能に応じて税率が変わります。暫定税率は軽油にかかる税金(軽油引取税)の上乗せ分で、もともと一時的な措置として導入されましたが、長年そのまま続いてきました。国民民主党の提案を受けて、どちらも2026年4月からの廃止が予定されています。
丹野議員は、これらの税制変更が法案成立を前提としているにもかかわらず、解散総選挙によって成立の見通しが立たなくなっていることを指摘しました。現場では具体的な混乱が起きています。
自動車販売店の声
「3月の売上の見通しが全く立たない」── 廃止されるかどうかで車の価格が変わるため、お客様への案内ができない状況
新社会人の声
「地方で車が必要だが、今買うべきか待つべきかわからない」── 少しでも安く買いたいが、見通しが読めない
法案の成立が4月以降となった場合は社会的に大きな影響や混乱が懸念されますので、政府としてはこの法案の年度内成立をぜひお願いしてまいりたいと考えております。
── 林総務大臣丹野議員は、事業者だけでなく生活者の予見可能性を高めることの重要性を強調しました。税制がどう変わるのか、負担はどう変わるのか、今ある支援はどこまで続くのか── そうした「家計のロードマップ」を示すことこそが、国民の安心につながるという主張です。
「家計が読めない社会に安心はない」── 丹野議員は見通しを示すことこそが最大の経済対策であると訴え、事業者だけでなく生活者にも税制変更の見通しを提示するよう政府に求めた。
自動車産業と税制改革 ─ 9種類9兆円の複雑な税体系
日本では自動車に9種類・総額約9兆円もの税金がかかっています。車を買うとき(取得時)、持っているとき(保有時)、走るとき(走行時)の3段階で課税される仕組みで、これは先進国の中でも例外的に複雑な税体系です。
丹野議員は、高市総理の成長戦略17分野に自動車産業が直接含まれていないことを指摘しました。日本の雇用の約1割、輸出の約2割を支える「経済雇用の大黒柱」であるにもかかわらず、カーボンニュートラルやトランプ関税、中東情勢など厳しい環境の中で戦っていることへの問題意識です。
| 課税段階 | 主な税金 | 動き |
|---|---|---|
| 取得時 | 環境性能割、消費税 | 環境性能割は廃止予定 |
| 保有時 | 自動車税(種別割)、自動車重量税 | 見直し検討中 |
| 走行時 | 揮発油税、軽油引取税 等 | 暫定税率は廃止予定 |
高市総理は自動車産業を「我が国の経済雇用の大黒柱」と認め、EV・FCV・ハイブリッドなど多様な選択肢を追求するマルチパスウェイ戦略を進める方針を示しました。税制については、令和8年度与党税制改正大綱において中長期的な方針が示されたとしています。
暫定措置も長期化
税金が読めない
ためらう
低下リスク
丹野議員の地元は愛知県豊田市・みよし市で、トヨタ自動車をはじめとする自動車産業の集積地です。「技術は世界一だが、国策としてバックアップする中国に負けてしまう」という現場の声を紹介し、半導体や液晶テレビ、太陽光パネルなど「昔は良かったけど今はね」という産業の轍を踏まないよう強く訴えました。
自動車関連税制をシンプルに合理化しつつ、地方の重要財源(4〜5兆円)を守る── 丹野議員は「財源を確保しながら税体系を整理する」という現実的な方向性を提案。政府も中長期的な見直し方針の検討を認めた。
女性の真の活躍 ─ どんな道を選んでも不利にならない社会へ
日本の非正規雇用の半数以上は女性です。出産・育児で一度キャリアを離れると、復帰しても短時間勤務や低賃金の仕事にしか就けないケースが多く、正社員に戻れないまま固定化される問題が指摘されています。これは将来的な女性の貧困にもつながる深刻な構造的課題です。
丹野議員は「女性初の総理が誕生した時代」でありながら、すべての女性が真に活躍できているわけではないと問題提起しました。仕事・家事・育児の負担が女性に偏り、働き方を変えざるを得ない現実があります。
育児を両立
働き方を変更
低賃金の仕事
貧困リスク
丹野議員が求めるのは、「バリバリ働いてもいい、短く働いてもいい、専業主婦も素晴らしい── だけど、どんな道を選んでも不利にならない」社会です。結婚しているかどうかにかかわらず、女性が生涯にわたって経済的に自立できる仕組みが必要だと訴えました。
それぞれの希望が叶えられる。自分らしく生きられる。そういう社会を作ってまいりたいと思います。
── 高市総理非正規雇用の半数以上が女性という現実は、将来の女性の貧困につながる構造的問題。丹野議員は「どんな道を選んでも不利にならない社会」と「女性の生涯にわたる経済的自立」の実現を求めた。