医療

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📌 注目ポイント

医療の現場に革新をもたらすため、治療技術や創薬を支える環境づくりを進め、医療データの活用やフェムテックの制度整備にも着手。
薬価制度や新薬へのアクセスを見直し、安定供給を支える仕組みも構築。
地域と都市を問わず、必要な医療に誰もがつながれる体制づくりを目指します。

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医療システムの革新と整備

医療イノベーションの推進

優れた医薬品や医療機器を世界に先駆けて生み出すために、「社会課題(公的医療介護費、生産性損失)の解決につながるイノベーション」や「世界に先駆けて生み出されたイノベーション」、「医療の質の向上や医療の効率化に資するイノベーション」を積極的に評価します。
また、世界をリードするイノベーションの多くがベンチャーやアカデミアから生み出されていることを踏まえ、世界中から投資、技術、人材を呼び込み、かつ多様な人材が力を発揮する雇用の場として機能する創薬エコシステム・イノベーション拠点を構築します。ま
た、研究開発現場は、モダリティ(治療手段)の多様化、AIやIoT技術の進展に伴い複雑化・高度化しており、多様な患者ニーズに応え、世界に先駆けてイノベーションを生み出すために、各種法規制が適正に機能しつつも、ボトルネックとなることのないよう、ハーモナイゼーションをさらに推進します。

医療データ活用の整備

質の高い効率的な医療の提供・医薬品や医療機器の研究開発の効率化を図るためには、健康医療データの利活用は不可欠であり、「仮名加工医療情報」の二次利用にかかる法整備や、臨床試験等に活用しうるデータの標準化と信頼性確保などを推進します。

フェムテック認証の円滑化

フェムテック(女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービス)関連医療機器や医薬部外品の届出、認証が円滑に行われるよう改善します。

医薬品の改革

薬価制度の見直し

後発医薬品の安定供給を図るとともに、我が国における新薬創出を促進するため、中間年薬価改定を廃止し、経済成長率を踏まえた新たな薬価改定ルールを策定します。そのため、中央社会保険医療協議会の構成を見直し、医薬品関連業種の代表者を加えます。

新薬へのアクセスの見直し

革新的新薬へのアクセス確保とドラッグ(デバイス)ラグ・ドラッグロス改善のため、欧米と比較して相対的に低い新薬収載時の価格算定方式を見直すとともに、特許期間中の価格を維持する制度へと見直します。さらに、市場拡大再算定制度については、新たなエビデンスや使用実態、想定患者数等を踏まえた市販後のイノベーションを再評価できる仕組みへと見直し、とも連れルールは不合理かつ予見性を損なうことから廃止します。

医薬品の安定供給と流通改革

安定供給の観点からは、供給不安に陥っている医薬品等について増産に向けた支援を行います。
また、不採算に陥ることのない価格下支え制度、急激な物価高騰に対応できる制度を構築します。
終わりの見えない供給不安に終止符を打つために、医療機関と医薬品卸売業の取引における商慣行を変革すべく医薬品流通改善を促進します。
医薬品メーカーの生産・在庫・出荷状況等を一元管理するデータベースを構築します。

医療提供体制の強化

医療提供体制の充実

医療従事者の長時間労働の是正、不要な業務の削減につながる規制改革、女性医療従事者の就業継続・再就業支援などにより、医師・薬剤師・看護師を確保します。さらに、医療DXの推進による保険医療の高度化・効率化を通じて、質の高い医療を受けられるようにします。
また、限りある医療財源・資源を効率的に提供するために医療機関の機能や役割分担を整理したうえで、かかりつけ医機能の強化をはじめとする医療提供体制の見直しを図ります。また、初期医療を担うかかりつけ薬局を制度化(日本版CPCFの導入)するとともに医師・看護師・薬剤師等の役割を再編します。

地域における患者アクセスの確保と医療経営の安定強化

将来にわたって地域で医療サービスを受け続けられるよう、連携機関がグループで対応することで

  1. 診療機能の集約化・機能分担、病床管理
  2. 医療機器の共同利用、
  3. 地域フォーミュラリ(医薬品の使用指針)の導入、
  4. 人的資源の派遣体制の整備

等を推進し、地域医療連携の強化を図ります。また、医療圏単位での全診療科が設置できるよう、診療報酬上の評価にメリハリをつけることによって地域医療の安定強化と医師の偏在(地域及び診療科目)を解消します。

医療DXの推進による保険医療の高度化、効率化

「公的介護費や生産性損失」を含む医療経済学や個人医療記録の収集・分析に基づく科学的・客観的な保険給付範囲の設定により、医療給付の効率化を図るとともに、新規医療技術の開発ならびに医療市場の拡大を推進します。また、診療所(保険医)におけるオンライン診療の要件化の推進により当面の医療空白地対策等を行い、患者の利便性を高めます。電子処方箋や電子カルテの義務化ならびに「全国医療情報プラットフォーム」の整備推進により、医療情報を共有化し、医療と介護の連携強化や重複投薬等を削減します。

勤務医の働き方改革

勤務医の業務量削減のため、コ・メディカル(病院薬剤師、特定看護師、看護師等)への更なるタスクシフトやタスクシェアなどにより、働き方改革を推進します。

法整備も含めた終末期医療の見直し

人生会議の制度化を含む尊厳死の法制化によって終末期医療のあり方を見直し、本人や家族が望まない医療を抑制します。


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