法務委員会(2025/04/24)

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質疑者:川合 孝典

目次

3行要約

  1. 川合議員は刑事手続きのデジタル化に賛成するも、アナログ前提の進め方では効率化につながらない点を指摘し、用語の確認とオンライン開示原則を提唱。
  2. 鈴木法務大臣は情報流出リスクを考慮しオンライン開示を原則としない理由を説明、森本刑事局長は検察からの証拠開示でオンラインを推奨する意向を示す。
  3. 電子的記録の「記録」と「移転」の提供命令形式について、違法性の高い情報以外は記録による提供が基本であると説明、今後の質疑で通信傍受法との関連も確認する方針。

1. 概要

法務大臣および刑事局長に対し、法案の課題や用語の定義について質問を行い、政府側の見解を質している。テーマは刑事手続きのデジタル化における課題と展望であり、迅速化と効率化を目指す法案の実現可能性について議論されている。

2. 主題・主張

刑事手続きのデジタル化自体には賛成しつつも、法案がアナログのやり方を前提としている点に疑問を呈している。デジタル化による迅速化と効率化を実現するためには、従来の慣習にとらわれず、デジタル化に特化した議論が必要であると主張している。

  • オンラインによる証拠閲覧・当社(コピー)の原則化を求める。
  • 裁判所と検察の連携による手続きの遅延を防ぐための具体的な運用を明確化する必要がある。
  • 法案の用語が難解であり、国民が理解しやすいようにアップデートする必要がある。

3. 重要な論点

1. 電子的記録の閲覧・当社(コピー)の取扱いの原則

現行法では証拠物の毀損防止のため裁判所の許可が必要だが、改正法では電子データ全般に裁判長の許可が必要となる。川合議員はオンラインによる電子データの当社が原則とならない理由を問う。法務大臣は情報流出のリスクとプライバシー保護の重要性を理由に挙げ、裁判長が個別の事情を勘案して判断するとしている。川合議員は、コピーされたら困る情報については閲覧・当社を許可しないという理屈で良いのかと確認。刑事局長は、理屈上は裁判長の判断で許可されないこともあるとしつつも、実務上は原則として当社を認めている現状を説明。デジタル化の目的である迅速化と裁判費用の削減のため、閲覧方法の取り扱いについて議論が交わされた。

2. 証拠開示における検察官の裁量

裁判所と検察が相談して証拠開示方法(紙か電子データか)を決定するという運用が、検察官の裁量に委ねられるのか確認。刑事局長は、オンラインによる利便性向上を目的とする法案の趣旨を説明し、流出の危険性がある情報に配慮しつつ、可能な限りオンラインでの証拠開示を認める方針を示す。立案当局としても、検察に対し適切な運用に努めるよう周知すると答弁した。

3. 電子的記録提供命令の形式(記録と移転)

電子的記録提供命令の形式である「記録」と「移転」の判断基準について質問。刑事局長は、「記録」は対象となる電子的記録を複製すること、「移転」は記録媒体からの消去を伴うことを説明。危険物の製造方法や児童ポルノのような、非処分者の手元に残しておくことが妥当でない場合に「移転」が用いられると説明。川合議員は、電気通信事業者からの情報提供時に「移転」が想定されるか確認。刑事局長は、ポルノサイト運営者のような特殊な事例を除き、通常は複製(記録)になると答弁した。

4. 結論と展望

結論

デジタル刑事訴訟法案は、刑事手続きのデジタル化を推進する一方で、情報流出のリスクやプライバシー保護の必要性から、オンラインによる証拠閲覧・当社の原則化には慎重な姿勢を示している。法案の目的である迅速化と効率化を実現するためには、運用面での柔軟性と、関係者の理解を深めるための情報公開が不可欠である。

今後の展望

今後は、法案の具体的な運用方法について、裁判所、検察、弁護士間の連携を強化し、手続きの遅延を防ぐための対策を講じる必要がある。また、法案の用語を国民が理解しやすいようにアップデートするとともに、デジタル化に対応したインフラ整備や予算措置も不可欠である。

5. 評価

本議論は、刑事手続きのデジタル化における課題を具体的に示しており、法案の円滑な施行に向けた重要な視点を提供している。特に、情報セキュリティとプライバシー保護のバランス、手続きの迅速化、関係者の負担軽減といった観点は、今後の法案運用において留意すべき点である。


用語説明

  • 電子的記録: 電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録。デジタルデータ全般を指し、書類や証拠物が該当する。
  • 閲覧・当社(コピー): 訴訟記録や証拠を、目で見て内容を確認すること(閲覧)と、その内容を複製すること(当社またはコピー)。
  • 電子的記録提供命令: 捜査機関が、電気通信事業者などの第三者に対し、必要な電子的記録の提供を命じること。

※AIによる要約のため、誤りがある可能性があります。

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